尺八選定ツアー2020

先日の尺八選定試奏会での先生の一言、「良かったら直接現地に行くのもありですよ」というお言葉を真に受けて、「尺八選定ツアー2020」なるものを企画・決行してしまいましたので、ここにご報告致します。

ツアープラン

尺八工房2拠点を巡る、全2日間の旅程です。2つの工房とは、主に木管尺八を手掛けるワダ楽器さんと、尺八工房の名門、真山尺八さんです。

  • ワダ楽器@富山 (六寸管選定)
  • 宿泊@金沢
  • 真山尺八@大阪 (八寸管選定)

機械加工により個々のばらつきが抑えられ、安定した品質が魅力の木管尺八と、一本一本形の異なる竹から職人技で作られる至高の尺八とで、それぞれ異なる魅力を現地で感じ取れるという意味で、既に計画段階から楽しみでテンション上がりっぱなしです。

一方、移動距離が結構長いので、テンション上がる中で睡眠をしっかり取れるかがポイントになってきます。

1日目:ワダ楽器@富山

今回は、ワダ楽器で六寸管を、真山尺八で八寸管を購入する予定でしたので、初日は主に六寸管の試奏を行いました。

ずらりと並ぶ胡蝶宝の六寸管たち

準備していただいた鳴りの良い尺八の中から、早速先生に試奏して頂いて、選別をしていきます。

ベーシックモデルの楓や合竹 (「ゴウチク」と読むらしい。竹を重ね合わせたもの。) だけでなく、ヒノキ製やカラー塗装を施したもの、カタログには無い虎杢の楓など、様々なバリエーションの尺八を前にテンションが上がります。

最終的に選定したのは、↑の写真の一番左の0182というモデル。楓材の選別品です。まだ製作途中ながらも非常に鳴りが良いので、今回特別に揃えて頂いたもので、ワダ楽器のご主人も先生も「やっぱりね」と言った結果となりました。完成すると、一番右の八寸管のような外観となります。

一応、2日目の試奏結果を待ってから、ということで取り置きをお願いしましたが、最終的には、やはりこの価格で竹と遜色ないクオリティーのものは見つからなかったため、翌日連絡をして即決させて頂きました。

これでバリバリ春の海を練習したいと思います。出来上がるのが楽しみです。

宿泊@金沢

無事に1日目の六寸管選定を終えて、宿泊予定地の金沢に向かいました。ホテルにチェックインして、晩ご飯の時間までほっと一息。大浴場で寛ぎながら、しばし旅の疲れを癒します。

晩ご飯は、さしみおけ盛りが人気の「いたる 本店」へレッツゴー。日本海の魚に地酒、郷土料理にのどぐろを頂きました。

どれもこれも旨し。

のどぐろも最高です。見た目普通の魚の塩焼きなのに、何でこんなうまいんだ。

翌日の長距離ドライブに備えて、早く切り上げなきゃ、という焦りもあり、気付いたら日本酒を結構なハイペースで飲んでおりました(^^;;

ホテルへ戻る前に、金沢駅の中にある「鮨 歴々」さんに立ち寄って、〆の握りを十貫ほど。

〆の二次会

リーズナブルで大変おいしゅうございました。御馳走様でした。

明日はいよいよ総本山の真山先生の工房へ。どんな尺八に出会えるんだろうと楽しみを胸に、完全に遠足前日の小学生状態なのでありました。

2日目:真山尺八@大阪

ツアー2日目は、金沢から大阪に向かいます。フル高速でも結構な距離になるので、途中休憩を入れながら安全第一でレッツゴーです。

前夜は、遠足前日少年状態だったので、正直あまり寝れたとは言えない状態でしたが、移動中は先生との尺八・音楽トークで、退屈知らずでした(少なくとも私は)。

順調に車を進め、予定通り昼前に大阪入りすることができました。最寄駅近くの料理店で最後の腹ごしらえをして、真山先生宅に向かいます。暑いです。梅雨が長引く年でしたが、もう夏休みの時期だということを思い出させられます。

引用元:Google マップ

真山先生のお宅に到着。立派なお屋敷です。先生と奥様に迎えられ、早速尺八を準備して頂いたお座敷へ。広い・・。真山先生の息子さんである孝山先生も、ちょうどお稽古の時間だったようでご挨拶。

ずらりと並ぶ高級管たち (個人的には、楽器に高級管という言葉を当てはめるのは、あまり本意ではありませんが、真山先生が手間暇かけて製作して下さった渾身の逸品たち、という意味で)。テンションも上がりますが、高価な値札を前に緊張感も高まります(^^;;

昨日と同じように先生に全て吹いて頂き、お勧めの管を絞っていきます。私も順番に吹いていきますが、緊張のせいか、なかなかうまく音が出せません(^^;;。

最後は2本に絞り込まれました。それらを何度も持ち替えては吹き比べてみますが、お値段のことも気になり(どんだけ気にしとるんじゃぃ?!)相変わらず上手く吹けず、決定打がありません。

更に吹き比べていたところで、先生が私が吹いている尺八をわずかに上にずらしました。すると今までの空振り感が嘘のように、澄んだ音が鳴りました。

「あーこの尺八だわ」

と直感しましたが、欲しいことを悟られないように、我慢していたトイレのために一旦席を離れます(^^;;。

席に戻ると、先生が「やはりこの尺八ですね。お値段はご予算に収まるようにしますのでご安心下さい。」と仰って頂けたので、そのお言葉にありがたく便乗させて頂き、目出度く購入となりました。記念すべき相棒誕生の瞬間です。

(後から聞いた話ですが、私が席を外している間に、先生同士で価格の交渉をして下さっていたようです。お気遣い感謝。)

真山先生も「あんたはこれがええ。一番よう鳴っとる。」と少なくとも3回は仰って下さっていましたし、我が師からも「これですね」と太鼓判を押して頂けましたし、私としても理想的なサイズ感(細身で軽量)、それでいて甲音・乙音共にしっかり鳴る、見た目も好み、ということで大変満足のいく尺八を選ぶことができました。

今回購入した真山銘尺八 (八寸管)

その後、お茶菓子を頂きながらしばらく談笑し、お宅を後にしました。お土産まで頂き、至れり尽くせりのおもてなし、どうもありがとうございましたm(_ _)m。

大阪からの帰路は、スイーツ休憩やガソリン入れ忘れ高速下車などで寄り道をしながら、ゆっくりと帰りました。大きなトラブルもなく、無事に先生をお送りして。私も帰宅することができました。あー楽しかったなぁ。

帰宅後、満を持して尺八とご対面。早速試奏してみました。最初は慣れないせいで出しにくい音もありましたが、次第に慣れてきてしっかりと鳴り始めました。やはり現地では緊張していたのでしょう。更に吹き続けると、それはそれは素晴らしい音です。吹奏感、フィット感も素晴らしく、ずっと吹いていたいくらいです。

今回購入した2本の尺八については、別記事にて紹介させて頂こうと思います。

後日届いた胡蝶宝0182 (六寸管)

今回は、本当に素晴らしい尺八との出会いをありがとうございました。末永く大切に使わせて頂きます。練習も頑張るぞぃ!

コメントを残す